職場におけるメンタルヘルス対策としてどのように進めて行けばいいでしょうか。

現在、職場で心の病気の人がいらっしゃる場合と、いらっしゃらない場合では取り組むべき順番が違ってきます。

1.現在問題がない事業所 

 ①メンタルヘルス担当者を決める

 まずメンタルヘルスに関する担当者を決めることから始めます。この担当者というのは、その事業所で主に窓口になって不調者本人と上司や産業医など周りの人との調整をする人と考えて頂き、ルール作りのたたき台を作ったり、衛生委員会での意見の集約をしたりする人と思って頂ければいいと思います。担当者として選任される役職としては、衛生管理者や人事部長・人事課長が多いと思います。

 ②職場内外の相談体制を整える

 次に、メンタルヘルスに限らずなんでも相談できる窓口を整える事が必要です。すでにセクハラ、パワハラ相談窓口がある事業所であれば兼用でもいいと思います。窓口として手軽なのがメンタルヘルス担当者へのメール相談です。何か困ったことがあった場合にメールで相談予約をして、希望日時を調整して会議室などで相談を受けるというのがお手軽です。

 また、委託している産業医の先生にメンタル関係の相談を受けてもらうという方法もあります。産業医の先生と、どのようにかかわって頂けるか費用の面もあわせてよく相談しておくようにしましょう。

 事業所外の相談窓口としては労災病院などで無料の電話相談を受け付けてくれるところがあります。また、産業保健総合支援センターにおいて、メンタルヘルス相談員の先生が事業所からの相談に無料で応対してくれますので、お気軽に問い合わせください。

 ③職場内でのルールを決める

 次に、今後心の病気にかかってしまった(かかっているかもしれない)労働者が出た場合に、どのように対応していけばいいかを担当者や産業医を中心としてよく話し合い、職場でのルールを作ることが必要です。

作り方としては、今ある就業規則の中の私傷病規定や休職規定を参考にして、メンタル関係の病気に対しても同じように対応することを前提として、復職判定基準をどうするか、試し出勤制度を認めるかどうか、復職した後の再発休業に対する休職期間の通算はどうするのかなど細かく決めていくという方法がいいと思います。

 当事務所では、メンタルヘルス不調に対応した休職規定を作成しています。詳しくはこちらをご覧ください。

 ④職場内で研修を行う

 その次に、管理職や一般の労働者にむけてメンタルヘルスに関する研修を行うことが必要です。心の病気はストレスによるものなので、誰でもかかる可能性があります。そのことを認識してもらうために、全労働者に対してセルフケア研修を行い、自分自身で自分の健康を守って行くよう指導してもらいたいと思います。また、管理職に対しても誰もがかかる病気である事を分かってもらうと同時に、部下の健康を守って行く義務があることを理解してもらい、心の病気になる部下がでないような職場にしてもらうよう、指導していくことが必要です。

 ⑤職場環境の問題点の把握と改善を行う

 職場内でのストレスの原因はなにか、日頃から管理職自身が見回りなどをして調査したり、部下との面接などで聞き取ったりして改善できるところから改善するようにしましょう。「職場のストレス」の項目で紹介した快適職場調査などのツールを利用して全労働者から意見を集約するのもいい方法でしょう。

2.現在問題が発生している事業所

 ①メンタル不調者の対応が最優先

 すでに心の病気を発症していると思われる労働者がいる場合は、その労働者の対応が最優先です。現在休業に至っていないが体調が悪い労働者であれば、早急に専門医を受診するようすすめてください。メンタル不調なのかどうか判断が出来ない場合はまず本人の話をよく聞くようにしてください。その中で、よく眠れない(何度も目が覚める)、食欲がない、めまいがする、頭が痛いなど何か体調不良を訴えられたら、とりあえず内科を受診するように勧めてください。そこで異常がなければ内科から精神科をすすめてくれる先生もおられます。また、どうしても受診しない労働者については仕事上のミスやや遅刻などを理由に業務命令として産業医の先生を受診するように説得してください。

 すでに休業中の労働者がいる場合は、職場のルールや傷病手当金などの説明を本人または家族に伝えるようにしてください。特に、休職期間の満了時期は必ず説明しておかないとトラブルの原因になりますので注意してください。また、現在の病状確認のためにも月1回程度連絡をとるようにしてください。

 職場復帰が近い労働者であれば、主治医の先生の診断書の提出を求め、できれば産業医の先生から主治医の先生に内容について確認してもらうようにしてください。復職可としているがどの程度の仕事ならできるのか、車の運転や機械の操作は可能なのかなど復帰する労働者の仕事内容をよく説明して、主治医の意見を聞いて頂きたいと思います。その上で産業医の先生の指導のもと、その労働者の復職支援プログラムを組んで頂きたいと思います。

 ②上記のことを行いながら職場のルールを決めていく

 メンタル不調者の対応をしていくと自然に担当者は決まってしまうもので、職場の就業規則等をよく確認しながらメンタル関係の病気にも対応できるルール作りを①と同時進行でやっていく事なります。実際の問題が発生しているのでルール作りも早く作成することになります。

 ③相談体制の整備や研修を行う

 「1.問題がない事業所」で記載した②と④をすすめていくことになります。

 ④職場環境の問題点の把握と改善を行う

 メンタル不調になった人の原因が職場内にある場合はその原因を早急に改善するようにしましょう。それ以外のことについては上記「1.問題がない事業所」で記載した⑤と同様です。

各都道府県にある「産業保健総合支援センター」では、メンタルヘルスについての相談を無料でお引き受けしています。また、職場での復職支援のルール作りのお手伝いや管理職研修を行っています。(すべて無料)

 

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