事業主のための就業規則 有給休暇編

 就業規則を作りたくないと言われる事業主さんに理由をお伺いすると、

有給休暇がとれることを従業員に知られたくないから

と言われる方がいます。確かに有給休暇を取られると中小企業の事業所としては大変ですが、有給休暇は労働者の権利として存在していますので、就業規則に載せなくても、請求されれば取得させなければいけません。それに、今はインターネットで調べればすぐに有給休暇が何日とれるかなどは分かってしまいます。

 それよりも、就業規則で有給休暇についてどのような手続きを取らないと取得できないのかルールづくりをして、気持ちよく働ける事業所にした方が事業主のためになるのではないでしょうか。

 就業規則の有給休暇の条文の中に、記載した方がいいものは以下の通りです。

1.事前届け出制にする

 特別な理由がない場合は事前に「有給休暇取得願」を提出しなければいけないと明記してください。これによって、前日の帰社時間に「あすから有給で休みます」ということが出来なくなります。また、何日前までに提出させるのが合理的かといいますと、裁判例(電電公社此花電報電話局事件)である通り、2日前までに届け出るというのが合理的な期間とされています。

 ただ、もっと前から分かっている予定なら、できるだけ早く届け出るように規定の中にいれるのもいいでしょう。

2.手続きを期間内に行っても、業務の関係で希望する時期に取れない場合があることを明記する

 とても忙しい時期に2日前に休みたいと言われても困ってしまう場合があります。その様な時は、時季を変更してもらうこともあると明記しておけばトラブル防止になります。ただし、事業の正常な運営を妨げるかどうかの基準は、事業所の規模、内容、労働者の作業内容、性質、代替要員の確保の難易度等を考慮し、客観的に判断するものなので、安易に時季変更するのはやめた方がいいです。

 それより、事前に忙しい時期を特定しておき、事業所内で出来るだけ休まないように指導するようにしましょう。

3.計画年休を入れる

 有給休暇のうち5日を超える日数については、あらかじめ労使協定を結んでおくと、事業所が指定した日に有給休暇を与えることができます。これを「計画年休」と言います。年末年始やゴールデンウィーク、夏季休暇などの長い休みを計画年休の日数に入れてしまえば、有給休暇が自然に消化できてしまいます。

4.有給休暇の消化は新しい年のものからにする

 有給休暇の権利は2年で消滅しますので、前年の有給休暇の未消化分は今年も取得できます。そのため、前年から全然取得しなかった場合は、最高40日の有給休暇が取得できます。それを新しい年の有給休暇から消化するようにすれば、前年の未消化分は時効によって消滅していきますので、来年になれば40日も有給休暇が未消化であることはなくなります。

 ただし、そのような運用をする場合は、就業規則に定めて事前に説明するようにして下さい。

 

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