パート就業規則の注意点
パートタイマーと呼ばれる人はたくさんいますが、その人たちの就業規則を作成している事業所は少ないと言われています。「パートは少ないから」と言って作成しないままでいると、正社員の就業規則が適用されてしまいますので、正社員と同じ労働条件になってしまいます。
それではどのようにすればいいのでしょうか。
正社員と違う労働条件を定めたパートの就業規則を作成して、パートさんを含めた全従業員に説明することがいいと思います。パートタイム労働法にも、「雇い入れの待遇については文書等で明示する」と定められていますので、個別の契約書と合わせてパート就業規則の配布をすることをお勧めします。

次に「パート就業規則」を作成する上で注意すべき点を挙げます。
パートタイム労働法の規定では、パート労働者の待遇は、正社員との働き方の違いに応じてバランスを図るための措置を講じるよう規定されています。具体的には、仕事の内容及び責任が正社員と同じかどうか、人事異動があるかどうか、または異動の範囲が限定しているかどうか、という2要件について正社員とどのように違いがあるかによって、待遇の取り扱いを規定しています。
その中で、すでに義務化されているものについては就業規則の規定に盛り込む必要がありますので、以下の事項については注意してください。
1.正社員と仕事の内容や責任が同じ場合は、職務の遂行に必要な教育訓練を正社員と同じように受けさせなければならない。また、職務の内容が違うパートにおいても経験や能力、意欲などによって、教育訓練を受けさせるよう努力しなければならない。
2.給食施設、休憩室、更衣室などの施設を利用できるようにする。
3.正社員に転換できる制度や正社員の求人を会社内のパートに周知するなどの措置を講じなければならない。
現在のパートの人の働き方がどうなのか、責任は同じなのかどうか、異動はどうなのかなど見つめなおして頂いて、各事業所に則したパート就業規則を作成して頂きたいと思います。
ちなみに、パートの人を含めて10人以上従業員がいる事業所は、正社員の就業規則と同様に、パート就業規則を監督署に届け出る義務がありますので、届出もれのないようお願いいたします。
パート就業規則についてのご相談は当事務所で承りますので、お気軽にご相談ください。