パート就業規則 正社員転換制度編
パート労働法第12条により、事業主はパートさんに正社員になることができる機会を与えるようにしなければならないと規定されています。具体的な方法として1つ挙げられているのが「正社員転換制度」です。
「正社員転換制度」とはどういうものかと言いますと、一定の資格があるパートさんに正社員になるための試験を行って、合格した人に正社員になってもらう制度です。
「パートさんにはがんばってもらって、長く勤めてほしい」と思っている事業主さまであれば、「正社員転換制度」を作って、優秀なパートさんには正社員になってもらって、「ここはパートにも優しいいい会社です」ということを宣伝していきましょう。
「正社員転換制度」を採用する場合は、広く従業員に分かってもらうため、就業規則の中にこの制度のことを記載して、ルール化していく必要があります。

就業規則に盛り込む内容として、以下の点に注意してください。
1.正社員に転換できるパートさんの要件を明確にする
3年以上勤務していること、健康であること、正社員と同じ時間働くことができることなど、具体的で分かりやすい基準を決めることが大切です。
また、筆記試験や面接試験を行って、能力、適性を把握して合格した者を正社員にするというような、客観的な基準も必要です。なぜなら、もし不合格者が出た場合、なぜ不合格になったのか客観的な基準を示すことによって、その人とのトラブルが避けられるからです。
2.正社員になった時の処遇を決めておく
正社員になった時に、どのように働くかどんな条件か前もってパートさんが理解していないと、正社員に転換した後になって「そんなつもりではなかった」と言って、辞退してしまう可能性もあります。そのようなことを避けるためにも、就業規則の中で大まかな労働条件を記載しておき、後は個別の契約で明示するようにしましょう。特に、正社員になって大きく変わる所(例えば転勤の有無、業務の内容や責任など)はできるだけ前もって文書で周知するようにしましょう。