事業主のための就業規則 服務規律編
事業主のための就業規則を作成する上で、重要な規定は服務規定です。就業規則というのは、その事業所のルールであり、守るべきものでありますが、その中でも服務規定は、「このような働き方をしてほしい」「こんなことはしてはいけない」と従業員に対するメッセージを発信できるところなのです。言い換えれば、この服務規定を読めば、わが社の従業員としてのあるべき姿がわかるというようなものなのです。
それ故に、どこかの規定をそのまま使用することはやめて、自社にあった服務規定を作成していただきたいと思います。
また、その服務規定を作成しただけに留まらず、きちんと内容を従業員に説明していき、従業員教育に役立てていただきたいと思います。そのことによって、事業主さまの考えに沿った従業員が育っていくことになり、無用な労務トラブルを防ぐことになります。
服務規定の内容は、従業員が見てすぐ理解できるような簡単な表現で、具体的なものにすることが重要です。以下にモデル規定を記載しますが、各事業所の実態によく合った内容に作成し直してください。
第○条 従業員は以下の事項を守らなければならない。
1.常に健康に留意し、明朗はつらつたる態度をもって就業すること
2.職場の整理整頓に努め、清潔を保つようにすること
3.使用者および上司の指示に従い、誠実、正確かつ迅速に職務を行うこと
4.業務上の失敗、ミス、クレームは速やかに上司に報告すること
5.始業時刻および休憩終了時刻にはすぐに業務に取り掛かれるようにすること
6.上司、同僚、部下と互いに協力して職務を遂行するとともに、協調性をもって職場の秩序を保つこと
7.セクハラ、パワハラまたはこれに類する行為を行わないこと
最近は特にSNSなどで会社のことや会社の従業員のことを書き込んだりすることが増えていますので、事業主としてはそれに対する防護策を取らなければならない時代です。
また、上記のような規定に違反したときは、なぜしてはいけないのか説明して改善を促し、それでも改善しない場合は、懲戒規定により対応していくことが必要です。