マイナンバーの取得
平成28年1月から社会保障、税、災害対策の手続きでマイナンバーが必要になります。事業者としても、従業員の税金の手続きや社会保険の加入手続きなどで従業員からマイナンバーを取得しなければいけません。具体的な手続きとしては、以下のようなものがあります。
1.扶養親族の申告書や源泉徴収票、法定調書など所得税、住民税に係る手続き
2.雇用保険の加入、脱退、給付等に係る手続き
3.健康保険、厚生年金の加入、脱退、月額変更、賞与、給付等に係る手続き
4.労災保険の給付に係る手続き
マイナンバーを取得するときは利用目的を特定して明示しなければいけません。また、社会保障、税、災害対策以外の目的で取得してはいけません。ただし、マイナンバーを必要とする度に利用目的を明示するのは大変なので、複数の目的をまとめて明示しても構いません。例えば、入社時の説明会でマイナンバーを取得する目的が複数記載された文章を配布して、従業員に理解してもらうなどが考えられるでしょう。
○利用目的が記載された文章が必要な事業所は当事務所にお気軽にご相談下さい。

そして、マイナンバーを取得する際には、厳格な本人確認が必要です。マイナンバー通知書だけでなく、顔写真のついている公的な証明書(運転免許証、パスボート、障害者手帳、在留カードなど)も一緒に確認し、本人であることを確認してください。もし顔写真付き証明書がない場合は、以下の書類から2点以上提出してもらわなくなていけません。
1.国民健康保険証、健康保険証、介護保険被保険者証等公的医療保険の保険者証
2.国民年金手帳、児童扶養手当又は特別児童扶養該当者証書 等
*既に在籍している従業員については、以前に本人確認の書類を提出してもらっている場合は省略できます。
そもそも、マイナンバーを取得すべき人とはどんな人なのでしょうか。
給与、報酬を支払う全ての人の分が必要です。パートやアルバイトも1日でも給料を支払えば取得しなければいけません。また、税理士や社労士など士業に報酬を支払えば、その人も対象になります。 また、従業員の扶養家族になっている人の分も必要です。平成28年には所得税の扶養家族になっている人のマイナンバーも取得しなければいけませんし、平成29年には所得税の扶養家族ではないが、健康保険の扶養家族になっている20歳以上60歳未満の配偶者の分も取得しなければいけません。
非常にたくさんのマイナンバーを取得しなければいけないので、本人確認も大変です。ただし、扶養家族の本人確認が必要なのは、国民年金の第3号被保険者だけとなっています。(健康保険の扶養家族で20歳以上60歳未満の配偶者の人)扶養家族全員ではなくてよかったです。
もし、従業員がマイナンバーを教えてくれなかったらどうしたらいいのでしょうか。
事業所としては従業員に、書類にマイナンバーを記載することが義務であることを説明し、理解してもらうようにしてください。それでも教えてくれない場合は、マイナンバーを教えてもらうよう督促した経緯を記録しておき、事業所が取得するよう努力したことが分かるようにしてください。そのうえで、マイナンバー記載欄は空欄で官庁等に提出してください。官庁等がマイナンバーの記載がないことによって受付しないということはありません。